【シリーズ「遺品整理とデジタル遺品の整理法」:第3回】大切な書類や思い出を整理する方法
こんにちは。葬儀社に10年間勤め、数多くのご遺族やご高齢の方と向き合ってきた筆者が、「終活の第一歩」として、多くの方に役立つ情報をお届けしています。
今回は「大切な書類や思い出を整理する方法」についてお話しします。
終活というと、つい難しそうに聞こえるかもしれません。でも、実はとても身近なことから始められます。そのひとつが、「大切な書類や思い出の整理」です。
これは、ご自身の人生を見つめ直すとても大切な時間であり、ご家族への思いやりでもあります。
なぜ今、「書類や思い出の整理」が必要なのか?
「元気なうちに何を整理しておけばいいの?」とよく聞かれます。実は、人生の中で蓄積されてきた書類やアルバム、思い出の品々を「どうするか」は、ご家族にとって大きな負担にもなりうるのです。
いざという時に必要な書類が見つからない、思い出の品が大量にあって手がつけられない——。そんな状況を避けるためにも、今から少しずつ整理を始めてみましょう。
まずは「重要な書類」の整理から
重要な書類には、次のようなものがあります。
- 保険証書
- 年金手帳
- 預金通帳やキャッシュカードの情報
- 不動産の権利書や契約書
- 遺言書やエンディングノート
これらは、専用のファイルやクリアポケットにまとめておくと便利です。また、書類の種類ごとにラベルをつけておくことで、ご家族が見てもすぐに分かるようになります。
便利な終活アイテムを活用しよう
最近では、終活専用のファイルセットや「エンディングノートキット」が市販されており、とても使いやすい設計になっています。
特におすすめなのが、コクヨ エンディングノート&遺言書キット 2冊セットです。書き方のガイド付きで、はじめての方でも安心して使えます。
思い出の品は「選ぶ勇気」も大切です
写真、手紙、記念品…どれもかけがえのない思い出ですよね。
ただ、すべてを残しておくと、収納場所にも困りますし、ご家族が整理に困ってしまうこともあります。
おすすめの方法は、「厳選する」こと。
- 本当に心に残るものだけを残す
- 迷ったものは一時保留にする
- デジタル化(写真のスキャンなど)を活用する
たとえば、古いアルバムをスマホで撮影してクラウドに保存すれば、かさばらず、安全に残すことができます。
家族と一緒に「思い出」を語り合う機会に
整理は「ひとりで静かに進める作業」だと思われがちですが、実はご家族とのコミュニケーションにもつながります。
「この写真はどんなときのもの?」「若い頃のお母さん、きれいだね!」といった会話が自然と生まれます。
整理を通して、ご家族との絆が深まることも多いですよ。
捨てづらい物は「手放すための儀式」を
思い入れのある品物を処分するのは、簡単ではありません。そんなときは「感謝の手紙を書いてから手放す」「写真に収めてから処分する」などの方法もあります。
気持ちに区切りをつけることで、前向きに整理が進められるようになります。
まとめ:少しずつ、でも確実に
大切な書類や思い出の整理は、一度にやろうとすると疲れてしまいます。
まずは「今日は通帳の整理だけ」「今週はアルバム1冊だけ」といったように、少しずつ取り組んでいくのがポイントです。
そして、「あなたの想い」がきちんと伝わるように、整理したものにはラベルやメモを添えておくと、さらに安心ですね。
次回予告:「デジタル遺品とは?パソコンやスマホのデータ整理法」
次回は、現代ならではのテーマ「デジタル遺品」についてお話しします。スマホやパソコンのデータ、SNSのアカウントなど、大切な情報をどう整理しておくべきか、初心者の方にもわかりやすく解説します。
最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの終活が、安心と感謝に満ちたものとなりますように。
|
|
|
コメント